28052

 

最近の症例をすごく簡単にご紹介いたします。

 


CASE1.

猫免疫不全ウイルス感染症(FIV) 別名:猫エイズ

 

猫、6才、去勢♂、屋外飼育。

口や歯が痛そう、歯石を取って欲しいとのことで来院。

以前に、FIV/FeLVの簡易スナップ検査にてFIV陽性を確認済み。

(FIVワクチン接種歴は無し)

 

28052

スナップFIV/FeLVコンボ
迅速に検査結果が表示されるので大変便利!
(画像元→日本全薬工業株式会社

 

口内炎歯肉炎、歯石の付着があり、

今後、痛みによる食欲低下等が十分予測されたので

歯石除去および患歯の抜歯・処置も行わせていただきました。

 

状態が酷い場合は、全顎抜歯という方法もありますが、

今回のケースでは年齢が若く(できるだけ歯を温存する方向)、

更に、患部が比較的限局していたので

部分的に処置・治療をすることになりました。

 

 

この飯田・下伊那地域では、

外に散歩に出かけるネコちゃんが多くいるように感じます。

その中で、FIV陽性のネコとのケンカで

咬まれたりするとその唾液や血液によりFIVに感染しますが、

その多くは、はじめの内は健康そうにみえます。(←要注意)

その後、免疫力の低下に伴い口内炎鼻炎胃腸炎などが現れ、

症状が酷いと最終的には死に至ります

 

また、

特別な治療法がないので、一度感染すると、

発症を遅らせるための管理や、症状に合った対症療法が基本となります。

 

多頭飼いのネコちゃん・外が好きなネコちゃん

外で生まれたネコちゃん・ケンカしてきたネコちゃん

もちろん室内飼育のネコちゃんも

早期にFIV/FeLV検査を行うことをオススメします 🙂

 


 

%e8%bc%b8%e6%b6%b2

 

今日は、当院に来られた最近の症例の一部をすごく簡単にご紹介します。

 

手術時の画像は掲載しておりませんのでご安心ください (・∀・)

 


CASE 1.

 

犬。15歳。未去勢♂。頻回の水様便(血便)を主訴に来院。

検査を進めていくと、エコー検査やレントゲン検査では胃内異物(石)

両側腎臓内・膀胱内に結石前立腺肥大が認められた。

 

飼い主様とご相談したところ、

・内視鏡での異物除去は大きさ・形から食道等を損傷する可能性も高い点

・切開が大きくなってしまうのは避けたいとのご希望

・いままで尿関係のトラブルは無かった点

などを考慮し、十分なインフォームドコンセントを行ったうえで

胃切開による異物除去のみを行わせていただきました。

 

%e8%83%83%e5%86%85%e7%95%b0%e7%89%a9%e3%80%80%e7%b5%90%e7%9f%b3%ef%bc%88%e8%85%8e%e3%80%81%e8%86%80%e8%83%b1%ef%bc%89%e3%80%81%e5%89%8d%e7%ab%8b%e8%85%ba%e8%82%a5%e5%a4%a7%e8%83%83%e5%86%85%e7%95%b0%e7%89%a9%ef%bc%88%e7%9f%b3%ef%bc%89

写真上:レントゲン検査(右ラテラル像)

写真下:取り出された2つの胃内異物(石)

15歳と高齢でしたが、術後の経過も良好で、

退院後も、食欲もあり快便で、元気に暮らしているそうです(^_^)

しかし、腎臓や膀胱や前立腺は今後も経過観察が必要ですし、要注意です。

 


CASE 2.

 

猫。4歳。去勢♂。血尿・元気消失との主訴で来院。

血液検査では、炎症所見と腎臓に軽度のダメージを受けていることが判明。

エコー検査では、炎症による膀胱壁の肥厚や浮遊物も確認されました。

触診では膀胱もカチカチに硬く圧迫排尿も困難だったので、

尿道カテーテルを設置し、静脈内に輸液をしながら入院となりました。

%e8%a1%80%e5%b0%bf%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%ab%e3%83%90%e3%82%a4%e3%83%88%e7%b5%90%e6%99%b6%ef%bc%92

写真上:カテーテルから採取された尿(血尿)

写真下:尿沈査から検出されたストルバイト結晶

 

入院中は、膀胱洗浄や、消炎剤、抗生剤、止血剤などを使い、

フードは専用の処方食を使いながら内科的に治療をさせていただきました。

膀胱炎・ストルバイト結晶が原因で血尿あるいは排尿困難、

それによって急性の腎障害に陥っていた症例でした。

 

寒くなると動物は飲水量が減りますが、この症例は、

積極的に飲水量を増やすことで排尿を促し、

膀胱内をキレイに保つことが大事になります。

また、処方食をお湯でふやかして与えてもいいと思います(^^)

 

今回の症例は内科的な治療で落ち着いていますが、

場合によっては膀胱切開よる結石の摘出や、

オスはペニスを取って尿道を広げる手術が必要なこともあります。

 


 

最近はこの他にも、

卵巣と子宮それぞれに大きな腫瘤性病変があり、

それが鼠径部から飛び出ている(鼠径ヘルニア)

など珍しい症例もありました(゜o゜)

 

でも、そんな動物たちが退院して、

後日、元気な表情で飼い主様と一緒にまた病院に来てくれるのを見ると、

なんだか嬉しいですし、とてもやりがいを感じます(#^^#)

CIMG0740

 

<ご注意>

この記事の中に、手術時の画像があります。

苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

 

 

お久しぶりです。

ここのところ、病院がバタバタしていてなかなかブログを更新できませんでした(^^;)

 

昨夜は緊急の手術がありました。

 

というのも、若いネコちゃんが、何度も嘔吐を繰り返していて、

食欲もないとの主訴で来院されました。

検査をしていくと、胃の中と腸管に通過障害が起こっていることが判明!

 

そこで急遽、手術になった訳です。

 

 

で、実際に取り出されたものがこちら!!

 

CIMG0737

腸管内異物を取り出す様子

 

CIMG0740

左:胃内異物(毛球) 右:腸管内異物(アルミ素材の包装紙)

飼い主様から伺ったのですが、

このネコちゃんはヒモもたべたことがあるとのことでした(^^;

 

意外と、ネコちゃん、ワンちゃんは興味本位で、ゴクンッ!

様々なものを飲み込んでしまいます。

場合によっては、それが命に関わる事態になるということを

飼い主様も覚えておいてくださいね。