今日は、当院に来られた最近の症例の一部をすごく簡単にご紹介します。
手術時の画像は掲載しておりませんのでご安心ください (・∀・)
CASE 1.
犬。15歳。未去勢♂。頻回の水様便(血便)を主訴に来院。
検査を進めていくと、エコー検査やレントゲン検査では胃内異物(石)、
両側腎臓内・膀胱内に結石、前立腺肥大が認められた。
飼い主様とご相談したところ、
・内視鏡での異物除去は大きさ・形から食道等を損傷する可能性も高い点
・切開が大きくなってしまうのは避けたいとのご希望
・いままで尿関係のトラブルは無かった点
などを考慮し、十分なインフォームドコンセントを行ったうえで
胃切開による異物除去のみを行わせていただきました。
写真上:レントゲン検査(右ラテラル像)
写真下:取り出された2つの胃内異物(石)
15歳と高齢でしたが、術後の経過も良好で、
退院後も、食欲もあり快便で、元気に暮らしているそうです(^_^)
しかし、腎臓や膀胱や前立腺は今後も経過観察が必要ですし、要注意です。
CASE 2.
猫。4歳。去勢♂。血尿・元気消失との主訴で来院。
血液検査では、炎症所見と腎臓に軽度のダメージを受けていることが判明。
エコー検査では、炎症による膀胱壁の肥厚や浮遊物も確認されました。
触診では膀胱もカチカチに硬く圧迫排尿も困難だったので、
尿道カテーテルを設置し、静脈内に輸液をしながら入院となりました。
写真上:カテーテルから採取された尿(血尿)
写真下:尿沈査から検出されたストルバイト結晶
入院中は、膀胱洗浄や、消炎剤、抗生剤、止血剤などを使い、
フードは専用の処方食を使いながら内科的に治療をさせていただきました。
膀胱炎・ストルバイト結晶が原因で血尿あるいは排尿困難、
それによって急性の腎障害に陥っていた症例でした。
寒くなると動物は飲水量が減りますが、この症例は、
積極的に飲水量を増やすことで排尿を促し、
膀胱内をキレイに保つことが大事になります。
また、処方食をお湯でふやかして与えてもいいと思います(^^)
今回の症例は内科的な治療で落ち着いていますが、
場合によっては膀胱切開よる結石の摘出や、
オスはペニスを取って尿道を広げる手術が必要なこともあります。
最近はこの他にも、
卵巣と子宮それぞれに大きな腫瘤性病変があり、
それが鼠径部から飛び出ている(鼠径ヘルニア)
など珍しい症例もありました(゜o゜)
でも、そんな動物たちが退院して、
後日、元気な表情で飼い主様と一緒にまた病院に来てくれるのを見ると、
なんだか嬉しいですし、とてもやりがいを感じます(#^^#)