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こんにちは。

最近の症例をすごく簡単にご紹介します(*^-^*)

 

途中、ウンチの写真がありますので閲覧にご注意下さい。

 


CASE.1

「巨大結腸症」

 

猫、11才、避妊♀、3㎏。便秘嘔吐食欲不振を主訴に来院されました。

 

まず、お腹を触ってビックリ!!💦💦

まるで石のように硬くなったウンチでかなり太くなった腸管が触知。

 

脱水傾向もあったため、血液検査などの追加検査を急いで行います。

で、デジタルレントゲン検査の画像はこんな感じ!

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腸管の中がウンチでパンパンになっています!!💦
なんとも苦しそう(~_~;)

そのまますぐにお預かりして麻酔下で排便処置。

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出させたウンチの一部の写真なので実際にはもっとありました。
親指の大きさと比べると、ウンチの量の多さが分かると思います💡

…すごい量のウンチが出ました!

50㎏の人間でいうと3.5kgに相当するウンチの量です。Σ(゚Д゚)

 

 

麻酔から覚めたネコちゃんはスッキリした様子🎵 🙂

あとは自宅での内服薬や食事管理となりました。

 

 

この、「巨大結腸症」は

①骨盤骨格や神経の異常

②水分摂取量の低下

③偏った食生活

④腸管の蠕動運動の低下(筋肉の異常)

⑤毛球や異物や腫瘤などによる通過障害

などで引き起こされ、ネコちゃんに多い傾向のある病気です。

 

今回の症例のように排便させて

内服薬や食事管理等で経過が良好な場合もあれば、

原因に対する外科的な整復や

腸管を切除する必要がある場合もあります。

 

ネコちゃんに限らずワンちゃんも

便秘気味だと感じたら、

すぐに当院までご連絡下さいませ。(*^-^*)✨

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病院に行って、聴診した結果、

「心臓に雑音があります。」

なんて言われたら誰だってドキッとしてしまいますよね。((+_+))

 

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上のレントゲン写真:うつ伏せの状態
下のレントゲン写真:横向きの状態
どちらも真ん中に丸く大きく見えているのが心臓です。
(正常の1.5倍程も大きさがあります)

 

これは、10歳ほどのトイプードルの胸部レントゲン写真ですが、

胸の領域のほとんどを心臓が占めてしまうくらい

心臓が拡大しているのが分かります。

(追加検査にて、心臓の弁がうまく閉まらなくなる病気であることが判明)

さらに、大きくなった心臓に気管が圧迫されるため咳もよく出て、

肺炎も起こしていました。

 

通常、静かな環境下で聴診器を使い聴診した場合、

「ドックン、ドックン」と聞こえるとすると、

この症例のワンちゃんは、

診察台の上に乗せて聴診器を当てなくとも

「ザーー、ザーー」と心臓の音が聞こえるほどでした。

 

ここまで重度になってしまう前に、ワンちゃん・ネコちゃんの

定期的な全身のチェック・健康診断を強くオススメします。

 

もし、心雑音が見つかったとしても、しっかりと検査して

早め早めに手をうっていけば、

十分に生活の質(QOL)を保っていくことだって出来るのです。

春には健康診断シーズンも始まりますので、

気になった方は是非、当院までご相談下さい。(*^-^*)

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前回の記事に引き続き、

最近の症例をすごく簡単にご紹介いたします。

 


 

CASE2.

ヘモプラズマ症(旧:ヘモバルトネラ症)

別名:猫伝染性貧血

 

<病原体>

Mycoplasma  haemofelis  (病原性が高い)

・Candidatus Mycoplasma turicensis (病原性が低い)

・Candidatus Mycoplasma haemominutum (病原性が低い)

<感染経路>

ダニなどのベクターによる吸血、感染猫とのケンカによる咬傷、

母子感染、感染血液の輸血などさまざま。

<症状>

病原体が赤血球の表面に寄生することで、

赤血球が破壊されて貧血等の症状を引き起こす病気。

重度の場合は死に至ることもあり。

<治療>

抗生剤、ステロイド剤、輸血、酸素供給等。

 

 

 

以下、症例です。

 

 

 

ネコ、避妊♀、4歳、屋外飼育、FIV/FeLVともに陰性。

ぐったりしているとの主訴で来院。

一般身体検査では、可視粘膜は蒼白、CRT延長、元気消失、

呼吸促拍等が認められました。

血液検査では、貧血所見(再生像あり)、血小板減少、

肝酵素の軽度上昇、黄疸(TBIL 2.0)等が判明し、

エコー検査やレントゲン検査では、軽度の肝腫大、脾腫も確認。

 

更に、検査を進めていくと、

顕微鏡下にて赤血球の表面にヘモプラズマを確認

 

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治療前の血液塗抹。赤血球の表面に寄生するヘモプラズマ。
画像が悪く実際よりもかなり色が滲んだように表示されています 😥 


 

もちろん最近は、感度の高い遺伝子検査が主流になりつつありますが、

これは診断までにかなり時間を必要とします。

しかし、一刻を争う事態なので、すぐに入院していただき、

点滴をしながらヘモプラズマに対する治療を開始することになりました。

 

今回の症例のネコちゃんは、

抗生剤、ステロイド剤がすぐに効き、元気・食欲等もすぐに回復。

( 私の掌からフードをガツガツ食べる姿にとても癒されました★ )

貧血や血小板減少、溶血・黄疸といった症状は急速に改善され、

自宅での内服薬投与による管理が十分可能となったので

数日間の入院で済みました 🙂

 

しかし、ひどい場合は、輸血等も必要になったり、

放っておくと死に至るような病気です。

また、まれに再発もあるような病気なので、

継続的な治療や血液検査等の経過観察が必要となります。

 


 

みなさんも、ネコちゃんの様子がおかしいなと少しでも思ったら、

すぐに当院までお気軽にご相談下さいませ。 (*^^*)